恋色カフェ
「私、何か変?」
「いや……エプロン似合うな、って」
勝沼君は「やべ、俺、今キモかった」と頭を掻きながら、苦笑している。
「……このエプロン、自分で着てみるまでは3年前と変わってないと思ってたの」
「どこか違うんすか?」
「微妙に、だけどね。ポケットの位置とか、金具の形とか。何となく違和感があるな、って思ったら、違ってた」
気づかなければ、ただ懐かしんでいるだけでよかった、のに。
「多分、メーカーの規格変更とかじゃないすか?」
「うん、きっとそんな感じなんだろうね」
ずっと、3年前との間違い探しばかりしてきた気がする。
そこまで重要なこと、だったんだろうか。こんな、些細なことまでこだわる程に。