恋色カフェ


勝沼君に笑われても、ちゃんと確認しなくちゃいけない、とそう思った。今までやらずに来てしまったことを、突然思い出したみたいに。


「そうだね。変わってたからって、全然困ることはなかった」


変わっていても不都合が無いのなら、あとはそれを自分に馴染ませていけばいい。


「なら良かった」


勝沼君はまだ笑いを残しながらそう返す。



「そういや、他のホールの奴が

『平日なのに事務所に高宮さんがいなかったから、何だか心細かった』

って言ってたっすよ」

「え、」

「事務所に物取りに行ったりした時、高宮さんがそこに居てくれると何となくホッとするんすよ」

「だって私、特別何も……」

「ただ居てくれるだけで、安心感があるっていうかね。理英さんが居た時もそう思ってたけど」


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