恋色カフェ



それでも。


「私個人がどうかということより、私はアンバーには万由さんが必要だと思ってますから」



今回のリニューアルのことだけじゃない。整理棚の件もさることながら、雑貨の販売戦略やディスプレイに関しても彼女の能力は高く、他のスタッフからの信頼も厚い。

何せ、私が辞めた翌年、彼女が入ってからの雑貨の売上が、前年比150%超だったなんて、その書類を目にした時は悔しさを通り越してもう笑えてしまった。


もちろん、店長の姿勢の変化も関係はしているだろうけど。でも万由さんがいなければ、ここまで飛躍的に伸びることはなかったんじゃないかと思えてならない。


私がここにいるよりもずっと、彼女の方がアンバーに貢献できる。彼女を失うのは、アンバーにとってかなり痛手な筈だ。



「もし、店長が私の心配をしてくれてそう言っているのなら、私がアンバーを辞めてもいいです」


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