恋色カフェ

「なら問題ないよねぇ。私はてっきり、もう付き合ってるもんだとばかり……」

「ちょ、ちょっと、待って下さい」


訳もわからず進んでいく話を制止して、私は心を落ち着けようとコーヒーを一口飲み込んだ。



「すみません、何が何だか……。話が全く、見えなくて」

「……もしかして、煕さんから何も聞いてないの？」

「理英さんとその……離婚したっていう話は聞きましたけど」


信じられない、と理英さんは目を丸く見開いている。


「私、お２人の離婚の話を聞いた時、凄くショックで……。店長が理英さんのことを大事にしているのは傍で見ていてわかっていましたし、ずっと夫婦円満だとばかり」

「ちょっと、それもー?!」


理英さんは、はあ、と大きくため息を吐き出し、額に手を当て、顔をしかめた。



「本当に、何も聞いてないのね」

「……はい」


理英さんの話していることが何かはわからなかったけど、掘り下げれば余計に混乱しかねない、と私はとりあえず頷いておいた。