恋色カフェ
ずっとずっと、好きだった。好きで仕方なかった。時々、それを押し殺すことが難しくなる程に。
反発でもしていなければ、どうにかなってしまいそうで。
“報われない恋”は、私を歪ませていた。
仕事を辞めて、店長と離れることが出来て良かったんだ、これで忘れられるんだ、って。
それが仕事を辞めたことを、唯一肯定できる理由だった。
なのに、傷も癒えた今になって、まさかこんな形で再会するなんて────。
「一緒にいい?」
「…………はい」
切れ長の魅惑的な瞳に、長い睫。
あの頃長くて束ねていた髪の毛は肩より短くなっていて、ワックスか何かで無造作に散らされている。
その整った顔立ちには、どんな髪型でも合うらしい。
「高宮さんが辞めてから、もう何年?」
「3年位……ですかね」
「そうか。もうそんなに経ってたんだ」
コーヒーを飲みながら、目の前の彼は懐かしそうに目を細めている。