恋色カフェ
「……、っッ」
強引に舌が侵入し、私は驚いて口を開けてしまう。それを受け入れたと理解したのか、容赦なく彼の舌が私の口腔で動く。
「っん、う……!」
この強引さは、いつか車の中で奪われた時のようで――何か、嫌だ。私は抵抗しようと声を上げ、店長の胸を押す。
「……なに?」
「だって、なんか強引で……」
「俺とこうするの、嫌?」
「そういう問題じゃ…………きゃっ!」
私の話を聞くつもりはないのだろうか。店長は私をいきなり抱き上げると、ソファーへふわりと降ろしてまた、深いキス。
最初は私も抵抗していたが、宥め賺すかの如く優しく髪を撫でられ、その心地良さに、結局求められるまま応じてしまっていた。
「……」
ようやく唇が解放され、またしばし見つめ合う。
店長は上体を起こし、私を囲うようにソファーの背凭れに手をかけて、私を見下ろしている。
「……強引、か」
落とされた言葉は、何となく、切なげに響いた。