恋色カフェ
「……おはよ」
「お、おはよう、ございますっ」
自分が下着姿だったことを思い出して、私は拾った服で慌てて体を隠した。店長はそんな私を見て笑っている。
「何を今更」
「は、恥ずかしいんです……っ」
「昨夜さんざん見たけど」
「……昨夜は、暗かったし」
店長はそのままこちらへ手を伸ばし、何をするかと思えば、私の腕を掴んでベッドの中に引きずり込んだ。
「わ、ちょ、ちょっと」
「体、ひんやりしてるよ」
後ろから抱きしめられて、鼓動が騒ぎ出す。せっかく仕事モードに切り替わったのに、また無意味な欲望が頭を支配してしまいそうだ。
「もう、支度しないと間に合わない……」
「今何時?」
「6時過ぎてます」
「……そっか」
仕方ないな、とぼそりとこぼして、店長はベッドの中で大きく伸びをしている。
「昨日、無理言って終日フロアにいさせてもらったんで、今日はちょっとでも早く行って事務仕事再開させないと」
「土屋の件で、そっちの仕事全面ストップしてたもんな」