恋色カフェ
さんざん人を傷つけてきた私が、あんな偉そうに。
「私、自分の弱さで……元彼も、勝沼君も、きっと万由さんも傷つけてきたんです」
店長は特に相槌を打つ訳でもなく、黙って私の話を聞いている。
「……元彼と付き合ったのは、店長のことを忘れる為で……。
もちろん、付き合っていれば、彼のことを自然と好きになっていくだろう、そう思ったから付き合ったんですけど……駄目だった」
なのに、ズルズル関係を続けて、いいように利用して……。
そう口に出してみると、改めて自分の罪深さを思い知らされる。
「勝沼君のことも……結局私は利用していたのかもしれない。
万由さんには、店長とキスしてるところを目撃されて、一方的に勝手なこと言われて……あの時、ちゃんと反論出来ていれば……」
「ちょっと待って。土屋に、キスしてるところを目撃されてたの?」
「はい……」
「……なんで」
店長は頭を抱えながら、大きなため息を吐いている。煙草を灰皿に雑に押し付け、ベッドへ体を滑らせると、私の髪をぐしゃぐしゃと掻き回した。