恋色カフェ
二口目の水を、口に含む。まだ、美味しい。
私は、ただ過去の想いに惑っているだけなのか。それとも、甘さに魅了されてしまったのか。
三口目の水を、口に含んだ。
コクリと喉を通っていく冷たい感覚が、少しアルコールで火照った体に気持ちいい。
ふと、店長の言葉を思い出して、写真を取り出した引き出しの、その下の段を開けた。
「あ、あった」
白いハトの刺繍が可愛くて一目惚れして。
少し汚れのある表紙は、使い込んだ証。
――3年前の手帳。
答えは、きっとここにある。
“俺に、最後に言った言葉、覚えてる……?”
あの時は無我夢中だったから、自分が何を言ったかなんて、記憶に自信がない。