恋色カフェ
「えっ、どうして……。まさか病気、とか」
「……いや、大丈夫。元気にしてるよ」
寂しげに笑う店長を見たら、これ以上理由を訊いてはいけない気がした。
「……あの。私で良かったら、また是非、働かせて下さい!」
気がつけば、私は即答していた。
店に戻れば、店長への気持ちまで戻ってしまうかもしれない。そんな怖さも確かにあったけど。
それより上回ったのは、『アンバー』に戻れる
また、あのお気に入りの場所で、働ける
──その気持ちの方。
「本当!? 良かったー。俺、今日ここに偵察にきて正解だったな」
「そんなこと言って、また仕事サボッてたんじゃないですか?」
「人聞きの悪いこと言うなよ」
私達は、笑いあった。
久しぶりの、店長の笑顔。
その笑顔に、私はあの時恋をしていた────。