恋色カフェ
そこに──不意打ちの、キス。
「で、彗は?」
「えっ」
「好き?」
「だって、店長何も言ってな……」
「いいから、聞かせて」
そう言って落とされたのは、甘いキスと、極上の笑顔。
……やっぱりこの人は、ズルい。
「………………好き」
悔しさと恥ずかしさが相俟って、私は物凄く小さな声で言ってやった。
「もう一回」
「……イヤ」
仕方ないな、と言って私を立たせると、森谷店長は強く私を抱きしめて。
「……もう、逃げるなよ。
俺の前から、いなくなるな」
私の声に負けない位の小さな声で、そんなことを言った。