恋色カフェ
──────……
早速明日から、という森谷店長の言葉が半信半疑だった、今朝までの時間。
恐る恐る従業員口から足を踏み入れると、入口で森谷店長が待っていてくれた。
やっぱり、嘘でも夢でもなかったんだ。
それを実感できたのは、もちろん店長の顔を見たから、というのもあったけど。
木のぬくもりが感じられる、テーブル。
アンティークの、レジ。
雑貨の品ぞろえは少し雰囲気が変わっていたけど、何よりも、この香り……。
人をホッとさせるコーヒーの香りが“アンバーに戻ってきたんだ”と実感させた。
「今日から経理を担当してくれることになった、高宮 彗さんだ。高宮さんは3年前までここで働いてくれていたから、アンバーのことはある程度わかってはいるが、いろいろ教えてあげてほしい」
「高宮 彗です。よろしくお願いします」