恋色カフェ
◇秘め事
耽溺
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「彗さーん、休憩どうぞ」
「あ、ありがとう。
新メニュー、どうだった?」
「もう、めちゃめちゃ美味しかったですよ!」
事務所に私を呼びに来てくれたフロアスタッフの怜(れい)ちゃんは、興奮気味にそう話した。
そんなことを聞いてしまうと、もうここでお腹が鳴ってしまいそうだ。
『この日、シフトに入ってるスタッフ全員、新しいランチメニューを試食してもらうから』
店長がそう月頭のミーティングで話した、スタッフによる試食会。今日がまさに、その日で。
試食会の日が平日で良かった、と土日休みの私は、密かに今日を心待ちにしていた。