Mirror World
ただ一言、呟いて白いシルクハットを被り、
「今度もまた、君を悩ませるだろうねえ」
苦笑いで忠告をして、霧のように消えてしまった。
ハンプティが居なくなった直後、白い部屋は真っ暗になり、透明のガラスの階段が浮かび上がった。
僕は後ろを振り向かず、ひたすら駆け上がった。
「オ、オイ!優兎!?」
「ちょ、静かにして‥」
僕は話しかけてくる案内人を黙らせた。
何故なら‥アリスが目の前に居るのだから。
「やっと見つけた‥アリス」
僕は夢中になって話しかけた。