Mirror World
少女の通り道
見事、ここは博物館ではなかった。
どこかって?
それさえ、分からないまま。
正直、戻れるかも分からなかった。
大体、何で少女が居るのかも。

「来て」
「えっ?‥」

寂しいさを出さない強い少女はボソッと呟いた。
僕は耳を疑い、少女の跡を追いかけた。

走る度、背景が変わった。
これはなんの現象だ?
それに走っても走っても少女に追いつけなかった。

「ちょっ、君‥」

僕が口を開く度、足元に階段が姿を現す。
どこまでついて行けばいいんだ。
まるで誰にも解けない巨大な迷路。

息を上げて立ち尽くした。
少女は立ち止まり、奥を指差す。
‥何もないじゃないか。
すると、奥からガラスが割れる音が響いた。
その直後、大きな光が僕らを襲った。
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