Mirror World
すると、

「貴方は国王の‥どうか、どうか!ルスデルをお助け下され」

若い女性が案内人の前で土下座をし始めた。
なんだ、あるじゃないか。
僕はジッと案内人を見つめた。

「悪いが、俺は国王の息子じゃない」
「!?」

案内人は期待外れのことを女性に告げた。
冷たい目線でこちらを見るルスデルの人々。
見損なったぞ、案内人‥
案内人はフードを深く被り、街の入り口に再び歩き出した。
が、

「痛っ!!」
「前を見て歩きなさい、青年。それが礼儀ですよ」

案内人とすれ違った男性に案内人の腕を握られた。
< 31 / 46 >

この作品をシェア

pagetop