Mirror World
鋭く尖った角は紋章の印
「おやおや、どうして次期国王がこんな所で暇を潰しているのでしょうか?」

すらっとした背。
きりっとした男性が現れた。
嫌みっぽく言い放つ言葉。
無性にムカつく。
案内人の腕をあっさり離し、突き飛ばした。

どうやら胸についている、橙色のダイヤの紋章からトランプ兵だと判る。
案内人によるとダイヤ軍の長だと。
特徴はこの人に対してトゲのある嫌み口調。
僕は好きになれないな。

「ダイヤ、上下関係って言葉、知ってんのかよ?」
「えぇ。けど、貴方は私より下の立場。そうでしょ?」

案内人の背後は憎しみのオーラが放たれていた。
次期国王に言っていいのかよ‥

「‥ダイヤ、ルスデルに数千万円の補助金を」
「キング様。お父様にでも聞きませんと‥ね?」

案内人は歯をギリっと音を立てて返事をしなかった。
< 32 / 46 >

この作品をシェア

pagetop