Mirror World

「城が恋しくなったか?我が息子よ」

王宮の間に一つ、飛び抜けた大きさの椅子に腰をかけていた。
こいつが俺の父親、国王・キングだ。
見た目は若いし、中身も若い。
そして誰にでも優しい口調で、マイペースな性格。
そんな国王が嫌い。
怒りが灯る右腕を抑えて、地に片膝を着けた。

「恋しくなど御座いません。私は‥国王に頼みがあります」
「‥なら国王じゃなくて、父親として頼んだら?」

と、人を小馬鹿にしたような言い方で文句口調を呟く。
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