Mirror World
異世界
真っ白なスーツを着飾った綺麗な若い男。
あいつのせいで現在、訳分からない場所に転がっている。
大体、ここは見た目から日本じゃない。
外国の長閑で田舎のようだった。

「あんた、大丈夫か?」

そんな転がっている時、ある少年が声を掛けてきた。
首に大きな懐中時計をぶら下げて。

「変わった姿してるなお前。名は?」
「僕は‥」

少年に名前を聞かれた直後、僕の名前がなんだったのか分からなかった。
少年は心配そうな目で見つめてくる。
時間の無駄だ、頭に残る名を口にした。

「優兎か。顔に似合わねーな」

若干、傷つく言葉。
本名かは分からないけど。

「俺は時計屋。優兎ついて来い」

時計屋。それが少年の名前。
最初は戸惑ったさ。名前なんかじゃないってね。
けど、ここは可笑しな人ばかりだった。

「やぁ、時計屋。今日もお茶するかい?」

時計屋に連れて来られた場所。それは華やかな帽子屋だった。
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