鬼遊び
「んもう!ケチケチしないでよ!」
痺れを切らしたように逆ギレをしたナイスバディがハクを押し退けて勝手に入ってきた
「人間ちゃーん。出てらっしゃい♪」
俺達の目の前までやってきたナイスバディは立ち止まり部屋を見渡した
「なによ!どこに隠したの!?出しなさいよ!」
「フンッ。猫ってのは不躾な生き物だな。」
「なっ!?ホロ・・・!ちょっと魔女さん。ホロがいるならそう言いなさいよ」
「聞かれなかったからな。」
「まったく。あら?おかしいわね。人間の匂いが薄くなったわ」
「人間だったらついさっき、俺達の胃袋に入ったぜ雌猫」
「あんたたちが人間を食ったの!?」
「調度腹ぺこでな。てめぇのように不躾な生き物は残飯でも探しに街に下りたらどうだ?」
馬鹿にしたように言うホロ。
「アタシはあんたみたいに誰にでも尻尾振って媚び売るような安いプライドは持ってないのよ。あんたと違って自給自足で生きてるんだから。不躾呼ばわりはやめてよね」
「なんだと。上等だてめぇ。今すぐその喉食いちぎってやる!」
「やれるものならやってみなさい。引っ掻いてやるんだから」
「おい山猫。人の家で喧嘩はよせ。迷惑もいいところだ」
「フンッ。魔女さんもいくら良いように利用できるからって山犬なんて趣味が悪いわよ。」
「まだ言うか化け猫!」
「だまらっしゃいチワワ!」
「なんだとてめぇ!」
「やめろと言ってるのが聞こえぬなら貴様等に呪いをかけるしかないかのぉ」
そう言って笑うハクの笑顔はどす黒かった
「だ、だいたい魔女さんが嘘なんてつかないでアタシに人間を分けてくれたら丸くおさまったのに・・・」
どんだけこの人・・・いや、猫?は人間食いたいんだよ。
「人間を食ったというのは嘘だ。仕方ない、貴様にはこれをやるから山に戻れ」
そう言って渡したのは人間の手だった
「ヒッ!?」
「あらぁー!やっぱり魔女さんは優しいのね♪どこかのチワワと違って」
チワワという単語を強調させてホロを見る彼女
なんて低レベルなんだこの二人
犬と猫ってのは本当に仲が悪いんだな
「ありがとね魔女さん♪」
そう言って機嫌良く帰って行った