鬼遊び
「チッ。つくづくムカつく女だ。しかし、お嬢。良かったのか?」


「人間の手なんて何に使うんですか!?」

少し怯えたように蓮司の後ろに隠れて聞く由紀


「人間の手など渡しておらんぞ。」

「でも、アレ。人間の手の形してましたよ?血も付いてたし・・・」

「ああ、あれは私が作ったパンだ。」

「パン!?」

「人間の肉は希少で高いんだ。ああやってたまに人間の肉をせびる輩がおるから。パンを作って渡しておるのだ」

「騙してしまっていいんですか?山猫さん」

「何を言うか。私は騙してなどおらぬぞ。人間などいないと言ったではないか。それに、これをやろうと言っただけで人間の手をやるなんて一言だって言ってないだろう?」


「確かに・・・」

「それに、山猫には人間の肉の味はわからん。」


「なんで?」

「アイツは人間を食べたことなどないからな」


食べたことないのに食べたがるなんて・・・そんなに人間の肉ってすごいのかよ


「うむ。全て食べたのか・・・臭いは気にならなくなったがその衣類には染み込んでおるな。」

独り言のように呟くハクは何かブツブツ唱えた

すると、洋服が3着出てきた

「これを着ろ。」

俺達は言われるがまま着替えた








「ハクさん。これ、露出多過ぎませんかー?」

「そんなことはない。よく似合っているぞユキ」


由紀が渡された服はガーターベルトの付いたショートパンツ
上は首元は大きく開いていて丈の短い(ヘソ上までの長さ)ゆったりとしたTシャツ。
中は下着なのだろう。ヘソが見えている

って何を冷静に観察してるんだ俺!
まるで変態じゃないか!


「自分の身は自分で守ってもらうからな。これを腰に付けておけ」

ハクが由紀に渡したのは外側にはナイフが5本。中には怪しげな液体と扇子が二つ入っている

「使い方は後で教えてやる」

蓮司はと言うと

青いピーコートのような上着
中にはフードの付いたTシャツ
ズボンは少しゆったりとしたスウェットみたいな動き易そうなもので靴はシンプルなものだ

ちなみに由紀は革のニーハイブーツ

二人とも様になってるぜ!


ちなみに俺は蓮司の色違いでほとんど同じものだ
俺は赤のピーコートにカーキ色のズボンだった


「貴様等はここにいる間は何者か問われたら山猿と答えろ。」

「猿ですか?」


「人間は猿に一番近い。それから、同情は禁物だ。情けをかけて金をやったり、食い物を渡すなよ。」


「なんでですか?」

「付け上がるからだ。懐かれても困るしな」


そう言いながら着替えるハク
目の前でなんの躊躇いもなく服を脱がないでほしい
心臓に悪い





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