鬼遊び

不信約束

ドシャンッ

「い゛っ」

「う゛っ」

「きゃっ」


目を開くと知らない天井が見えた


「いってぇー。ここ、どこだよ。蓮司、由紀、鞠那ちゃん!無事か?」


「おう。俺はなんとか大丈夫だ」


「はい。私も無事です」


「鞠那ちゃんは?」

鞠那ちゃんだけ返事がないので不思議に思って体を起こし、周りを見渡すが鞠那ちゃんの姿はなかった

「どうやら俺達だけみたいだな」

「それにしても、一体ここはどこなんでしょうか」

「きったねー。義仁の部屋より汚ぇよ」

「うるさいぞ蓮司!俺の部屋は汚くない!ちょっと散らかってるだけだ!」


確かに汚い。埃の被った分厚い本が並ぶ本棚や怪しげな薬品や植物が並ぶ棚は獣に引っ掻かれたような傷跡があり、古いものや新しいものが見受けられる


「もしかしたら凶暴な動物がいるかもしれないから気をつけろよ」

蓮司の言葉に頷く。

床にもたくさんの本が散らばっていて、それをうまく避けながら足場を見つける
一冊手にとって見るが、中は白紙のページばかりだった

「何も書いてないじゃん」

しかし、分厚さからしてノートというわけでもなさそうだ


「何かいるぞ」

蓮司のその言葉に本を置き、蓮司が言った何かを見た

黒い塊がモゾモゾと動いたのが見えた

「動物でしょうか?」

「可能性から見ると大きく凶暴な動物かもしれないから気をつけろよ高橋」

蓮司は少しずつその塊に近づき手を伸ばした

その瞬間、蓮司は何かに引っ張られてソファに押さえ付けられていた

助けようと動いた瞬間

「“動くな”」

と、脳に直接響くような声に動けなくなってしまった

「なっ!?動けない!」


「何だ貴様等。他人の家に勝手に入ってきた上に安眠妨害とは・・・いい度胸しておるな。どこから入った」


この角度では喋っている人物が見えないが蓮司の頬にかかる白銀の髪は見えた



「気が付いたらここにいました!」

「学校で調べ物してたらここに・・・」


「待て待て。一人ずつ喋らんか。そうだな、女。おまえに聞こう。」


「はい。気が付いたらここにいました」

「おかしいな、人間を呼び寄せる呪いなど唱えておらんのだがな・・・。ここに来る前に何かしておったのではないのか?」


「鬼について調べ物をしてました」


「・・・鬼。そうか。」


「話し中のところ悪いが、服くらい着たらどうだ」


今まで黙っていた蓮司がようやく口を開いた


「ああ。それもそうだな。少し待っていろ。くれぐれも逃げるなよ?まあ、動ければの話だがな」


そう言って黒い塊がムクリと立ち上がった

そして、毛布はスルスルと床に落ちて全裸の女性が現れた


「なっ!?」


「へっ!?な、ナイスバディです!」


「そこなのっ!?」


由紀の発言に驚きつつ隣の部屋に消える女を見ていた



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