狂い人の世界 ~マネキンに恋した少年~
阿鼻叫喚
「大王様!閻魔大王様!」
突然、部下が呼ぶ声がします。
慌てふためいたその声に、私は後ろを振り向きました。
真っ青な顔色の青鬼が、私に叫びます。
「た、大変でございます。
彼の国において、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開しております。
ひ、飛行機が、ビルに激突しております。」
「大王様!こちらでも、でございます。」
顔を真っ赤にした赤鬼も、叫びます。
部下の元に急ぎ駆け付けた私は、その万華鏡に飛びつきました。
私が管轄する地獄が、現世に出現したが如くでございました。
思わず、神の言われた『お灸』という言葉が、頭に浮かびました。
“神も、罪なことをされるものだ・・”
“あれ程に慈悲の心を説かれる神が、このような仕打ちをされるとは・・。”
正直な、私の気持ちでございます。
暗澹たる心持ちになってしまいます。
ところがです、その後神にお会いした折には、意外な言葉をお聞きしました。
神 =なぁ、お前。
人間という者は、どこまで残虐な心根になってしまったのか・・。
わしの預かり知らぬところで、このような非道を起こすとは。
救い難いものじゃのぉ・・。
閻魔=で、では・・。
あなた様のご指示では、ないので・・。
てっきり、お灸を据えられたものか、と考えておりましたが。
神 =指示どころか、伺いすら、受けてはおらぬわ!
このままでは、終わらぬぞ。
又ぞろ、彼の国の報復が始まるであろう。
突然、部下が呼ぶ声がします。
慌てふためいたその声に、私は後ろを振り向きました。
真っ青な顔色の青鬼が、私に叫びます。
「た、大変でございます。
彼の国において、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開しております。
ひ、飛行機が、ビルに激突しております。」
「大王様!こちらでも、でございます。」
顔を真っ赤にした赤鬼も、叫びます。
部下の元に急ぎ駆け付けた私は、その万華鏡に飛びつきました。
私が管轄する地獄が、現世に出現したが如くでございました。
思わず、神の言われた『お灸』という言葉が、頭に浮かびました。
“神も、罪なことをされるものだ・・”
“あれ程に慈悲の心を説かれる神が、このような仕打ちをされるとは・・。”
正直な、私の気持ちでございます。
暗澹たる心持ちになってしまいます。
ところがです、その後神にお会いした折には、意外な言葉をお聞きしました。
神 =なぁ、お前。
人間という者は、どこまで残虐な心根になってしまったのか・・。
わしの預かり知らぬところで、このような非道を起こすとは。
救い難いものじゃのぉ・・。
閻魔=で、では・・。
あなた様のご指示では、ないので・・。
てっきり、お灸を据えられたものか、と考えておりましたが。
神 =指示どころか、伺いすら、受けてはおらぬわ!
このままでは、終わらぬぞ。
又ぞろ、彼の国の報復が始まるであろう。