Prisoner of Love
「それを教えてくれたのは、今話しに出て来ていたお祖母様だったんだ。
私が看取った時、本当は聞いていたんだ。
“気をつけて。
あんたも両親も狙われている。
いつか殺しにやってくる。
あの人たちの敵は、優梨たち家族。
もう近くまで来ている……。”
そう言って息を引き取った」
5年前を思い出しながら言う優梨の表情は、寂しそうだった。
「どういう意味なのか、その時の私には分からなかった。
ただ、なんとなくだけど、無くなった遺産と関係があるんだと思った」