Prisoner of Love
ある程度食べたところで、優梨は鞄から封筒を取り出し、菜々に差し出した。
それは、差出人のない旅行への招待状だった。
「うん、あたしんとこ家族全員に来たよ。
彼氏も来てたみたい」
「そうなんだ。
うちも真奈姉と親友の子にも来てたよ」
もう1度、招待状を見ながら言った。
何の色味もない、普通の招待状。
ただ、差出人がないのが不思議だった。
「差出人ないけど、優梨ちゃん、どうする?」
不安そうな表情で優梨に聞く。
不気味な招待状をどうしていいか迷っていた。