つないだ小指
結局、そのまま契約して不動産会社でカギをもらった。
三人で昼食をカフェでとることにした。
「いつ引っ越すの?」
「まあ、少しずつ買いそろえていこうかなと思ってる。
今まで使っていたのは、結城の家にあったものだったし、
私のものはあまりないの。」
「そうか、気がつかなかった。不自由したんじゃないか。」
郁人が眉を下げる。
「まさか、皆高価なものだったから、不満なんてなかったよ。」
あわてて、返す。
「ならいいけど、じゃ、これから家具とか見に行く?」
「
あたし、これから実験の残務整理に会社行くのよ。」
ちらりと春日をみる。
無言でパスタを食べていた春日が、
「やっといたから、行ってこいよ。今日は残務なしでいい。
郁人も来てるんだから。」
「サンキュー春日。菜々美は俺に冷たすぎじゃないのか。」
「連絡しないでくるからでしょ。」
頬を膨らませる。
「ごめん冗談だよ。家具見に行こう。特にベッド♪。」
「郁人のえっち!春日がいるのに何言ってんのよ!!」////