つないだ小指
誰かを頼らない自分になるために

一人で暮らすことにしたんだ。

「春日、私を守るなんてしなくていいから。」

自分で解決するんだ。


クルッと春日の方を向き直し、


「私は、人に頼りながら生きるのを辞めたの。

 郁人が遠くに行ってても、

 春日が近くに居ても
 
 私は私の考えで動くから。

 だから、守ってくれなくっていいよ。

 郁人が頼んだことは忘れて。

 それから、私は絶対揺れたりしないから。

 だから、待たないで欲しい。」


「それって、俺に来ないってこと?」


「うん。」


「絶対に?」


「うん、絶対に。」


「俺の気持ち知っててそう言ってるんだよな。」


「そう、謝らないよ。初めから分かってたでしょ。」


「分かった。」


春日はそういうと私の頭をぐしゃぐしゃっと撫ぜた。


「今まで通りだ。」


「うん。」

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