つないだ小指
「いつも御苦労さまですね。」

担当の看護士が俺にに声をかける。

「イケメンな彼氏で優しくて永澤さん幸せね羨ましいわ。」

永澤と俺は顔を見合わせて苦笑した。

看護士がいなくなってから永澤から口を開いた、


「専務すみません、すっかりご迷惑をおかけしてしまって。」

「いや、まあ上司だしな。

 でも、どうするんだ。

 いつまでもこのままって訳にもいかないぞ。」

「迷惑ついでにこのままでしばらく居ていただけませんか。」

「いや、それは、ちょっと。」

「あと2カ月。そこを乗り越えたらおろせなくなるから。」

「一人で育てるつもりなのか?」

「分からない、でも 下ろすなんて絶対嫌なんです。」

「専務が相手だったら父は手を出してこないはず。

 お願い。

 それ以上は望みませんから。」


「どうして俺は、そこまで君にリスクを負わされなければならないのか。」


「っそうですよね、勝手言ってすみません。」


「菜々美と俺の婚約は知ってるね?君と菜々美は友人だったよね。

 そんな事をしたら、俺たちがどうなるかは考えてくれないのか。」


「っそうですよね、ああ、私はどうしたら、

 でも、産みたいんです、別れたけれどディビットは、私の全てなんです。

 別れたけれど二人の子を消すなんて私にはできない。」


香菜子さんと親父と愛菜

3人の顔が俺の頭の中でフラッシュバックした。

菜々美と愛菜の笑顔が重なる。


俺はきっと、彼女を願いを振りきれない




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