つないだ小指
「菜々美郁人に電話しろ。あいつは嘘はつけない。

 だから、多分電話してこないし、返信も来ない。

 でも、事実は確かめるべきだ。間違いってこともある。

 事情があるなら聞かないとだろ。

 郁人なら、真実を話すだろう。」



「菜々美?」

首を振る、


嫌だ、無理だ、


受け入れることができない。


それが本当なら私はきれいに身が引ける?


「いや、や、いや~~~~~~~~~~~~!!!」


耳を塞いでそのまま道路に座り込んだ。



どのくらい時間がたっただろう


座り込む私の横に春日が立っていた。


「春日。待っているのじゃ駄目かなあ、

 何も知らない振りして、今まで通りの私で居ては駄目?」


「お前がそうしたいなら、俺は何も言えない、

 でも、副社長はすぐにでも結婚させる勢いらしい。

 なんでも、彼女は妊娠してるらしい。」


「!!!妊娠?」


「たしか、永澤遥っていう子だって。」


「遥?」うそ、



目の前が真っ白になって春日の胸に倒れこんだ。




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