つないだ小指
清里に着いたころには、

すっかり明るくなっていた。

駅近くのコンビニでサンドウィッチとミルクコ-ヒ-を買い

朝食にした。

昨夜飲んだからあまり食欲がない。

!春日だって飲んでたじゃない。


「春日、もしかしたら、飲酒運転だったんじゃ。」

シッと指を立て


「もう走っちゃったし。時効じゃん。」

あなたは部長になったのよ~


いつか行った郁人の部屋になっている保養所を目指す。


二人で保養所の前に立つ、

会ったらなんて言おうかと思い悩んでいると、



「菜々美?」

と後ろから声が聞こえた。

振り返ると、郁人と遥が立っていた。

体中鳥肌が立った。

一瞬にして頭が真っ白になり走り出した。


「菜々美違うのっ待って!」

遥の声が聞こえたけど構わず走った。

やっぱり駄目受け入れられない。

郁人を救うなんてできるわけない。

何の覚悟もできていない私は逃げ出すしかなかった。









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