つないだ小指
遥が、一連のことを話してくれた。

郁人が話してくれた以上に、重い話だった。

入社前、アメリカから連れ戻された遥。

父親の副社長が、郁人と縁談を持ちだした。

遥には、ホストファミリ-のディビットという恋人がいて。

結婚しようと話し合っていたのに強引に売れ戻された。

日本に戻ってから、

体調の不調に気づき妊娠が判明した。

家族に隠して、

ゴ-ルデンウィ-クにアメリカにディビットに会いに行くと

新しい恋人がすでにいて、妊娠の事実を告げずに

日本に戻ってきてしまった。

途方に暮れていた遥が体調を崩して倒れた所に、

郁人が遭遇してしまった。

遥は親から自分の子どもを守るために、

郁人に恋人の振りをしてくれと頼んだのだという。

郁人はそれより、

父親となるディビットに話すべきだと、

副社長にもちゃんと説得して分かってもらうべきだと遥を説得した。

郁人は遥を突き放すのではなく、

寄り添っていい方法を見つけようと、

あちこち、奔走していたらしい。

副社長に話す前に、

病院の付き添いをしたり、

妊娠の事実が先に伝わってしまい少しややこしくなった様だが

郁人になんの落ち度もない事がわかり。

副社長も、遥の力になり続けた郁人に感謝していたらしい。

郁人の説得を聞いてくれ、

二人のことを認めてくれたらしい。

ただし、ディビットがちゃんと責任もって挨拶に来られることが条件だった。

遥は、諦めてしまった彼だったが、連絡をとり、

子どもの話をするとすぐに挨拶に来ると二つ返事で飛んできたという。

どうやら、新しい恋人というのも遥の誤解だったらしい。


















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