つないだ小指
第二章 揺れる思い

育む

大学に復学し、三年生に編入した。


四年で大学に来る時数は少ないはずな郁人も、


いつも一緒に通学した。


あの日から今までとは違い私を手元に置きたがった。



私と常に一緒に行動しようとする郁人の態度に、



周りのみんなが不思議がるほど独占欲が表れていた。


私にはそれはとても居心地が良くて、ずっと続いてほしいと願った。






キスも毎日のようにした。


郁人のキスは今までの誰のものより


甘く、愛しさが溢れていた。


郁人が好き


中高生の頃の「恋愛の対象にはならない」と大人ぶってた私に


見せてやりたいと思うぐらい郁人とのキスに溺れていた。


『これでいいのか』という自問などどうでもよくなっている私がいる。
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