つないだ小指
式は、ホテルの中庭で行うパ-ティ形式のもので、
結婚式の披露宴ほど、かしこまったものではないらしい。
郁人はかかりの人と打ち合わせをしているようだ。
私に気がついて走り寄ってきた。
「仕事抜けられたんだ。」
「うん。エステの時間待ちなの。」
「緊張してる?ホテルの部屋とってあるから休んでていいよ。」
「大丈夫だよ。」
「もし、菜々美が嫌なら、俺一人でもなんとかするし。」
「私を甘やかさないで。」
「甘やかしたいんだ。菜々美が傍に居てくれるんだったらなんだってするよ。」
「駄目でしょ。私は、郁人の隣に居ても自分の力で立っていたいの。
郁人の奥さんじゃなくて、菜々美個人として。」
「なんか、高校の頃の菜々美みたいだ。」
「そうね、郁人を困らせた頃の私になるかもね。
あの頃の私に郁人は憧れてたんだよね。」
「うん、眩しかったな。」
「覚悟してね。」
「楽しみにしてるよ。」
結婚式の披露宴ほど、かしこまったものではないらしい。
郁人はかかりの人と打ち合わせをしているようだ。
私に気がついて走り寄ってきた。
「仕事抜けられたんだ。」
「うん。エステの時間待ちなの。」
「緊張してる?ホテルの部屋とってあるから休んでていいよ。」
「大丈夫だよ。」
「もし、菜々美が嫌なら、俺一人でもなんとかするし。」
「私を甘やかさないで。」
「甘やかしたいんだ。菜々美が傍に居てくれるんだったらなんだってするよ。」
「駄目でしょ。私は、郁人の隣に居ても自分の力で立っていたいの。
郁人の奥さんじゃなくて、菜々美個人として。」
「なんか、高校の頃の菜々美みたいだ。」
「そうね、郁人を困らせた頃の私になるかもね。
あの頃の私に郁人は憧れてたんだよね。」
「うん、眩しかったな。」
「覚悟してね。」
「楽しみにしてるよ。」