つないだ小指
その日を境に、


急速に春日と仲良くなっていった、



郁人とわたし、春日の三人で過すことが多くなった。



郁人と二人でいる時より笑う回数が多いと自分でも感じていた。



あいかわらず、郁人と一緒にいたけれど。



前よりキスの回数も少なくなった。



時々不安になることがあったけれど、


生活に少しずつ色が戻っていくようなそんな感覚を覚えていた。


私は、まだリハビリ中だったのかもしれない。


春日を間に入れ、郁人は少し距離を置きながら私の回復を


図ってくれていたのだ。


それと、春日が入ることで郁人が私との一線を越えることへの


ブレ-キにしようとしていたのだと後になって気付いた。


郁人が大学卒業するまで、その線を越えることはなかった。



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