つないだ小指
大学を卒業して、郁人と、春日は太陽工業に就職した。



太陽工業は結城パパの会社で



郁人がいずれ継ぐことになっている。



郁人は入社してすぐ、あちこちの工場や支店を回り



会社の管理をするためのスキルを身につけなくてはならず、



ほとんど家に帰ってこなくなった。



私は、大学四年になり、卒論を書くくらいで大学はときどき通えば良かった。



家で、愛菜の保育園の送り迎えや家事をして過ごした。


愛菜は二歳になりいろんなことができるようになり、



目が離せないが可愛い盛りだ。



郁人も会いたいだろうな。



郁人に会いたい。



毎日思いを募らせていた。
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