つないだ小指
パ-ティもお開きになり、


みんながパラパラと帰り始めた。


大学の知人と話していると、春日が話しかけてきた。


「もう、就職決まった?」


「うん。先週、太陽工業の重役面接した。」


「そっかぁ。いずれは郁人が取締役になる会社だもんな。顔パスなんだなあ。」


「入社試験ちゃんと受けたよ。


 結城パパの希望なんだから落ちるとはおもってなかったから、


他を受けないっていうのはちょっと気が引たかな。」


「困るよ綾波君、菜々美は、コネがなくても優秀なんだ。


 わが社の入社試験トップだった学生に揺さぶりをかけないでくれよ。」


「あ、結城パパおかえりなさい。」


「かっ会長!!ごぶさたしています。ふっ深い意味はないんです。」


「わかってる、わかってる。はっはっはっ」


手をひらひら振りながら笑って二階に去って行った。


パパが帰るのは一日ぶり、昨夜は戻ってないので一刻も早く愛菜に会いたいんだ


ろうなあ。くすっ


「かっこいいよなあ会長。おれあの人の人柄に惚れてこの会社はいったんだ。」


「うん。分かるよ。」

春日は青くなったり、赤くなったりして結城パパを見つめていた。


「郁人似てきたよね会長に。」


っ!


「っぷ--。春日ってば近所のおじさんみたいっ。」


「なんだよ~笑うなよ。ってかおやじって言われてるみたいでショックなんです


けど!!」


春日と話していると和むなあ。


ママが亡くなってから一年休学したせいで友人の少ない私。



こんな風に話す友人が春日でうれしい。












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