つないだ小指
郁人、無口な郁人。


最近、雰囲気変ったっけど、こんな雄弁な郁人は初めてな気がする。


でも、ずっと私を見て、私の知らないことまで理解しようしてくれてたことに


おどろいてしまった。


いいのかな、私はもう許されている?


郁人とちゃんと向き合っても大丈夫なの?


うつむいて考え込むわたしに、郁人がつぶやく。


「俺でしょ。菜々美はずっと俺がすきだったでしょ。」


「えっ?」


「ねえ、愛してるって言ってよ。、、、。」


やばい、また流されちゃう、


郁人の顔が、重なろうとする、


駄目、、今ちゃんと向き合わないと、


郁人の気持ちに答えたい。素直に愛していると伝えたい。


「郁人!ストップ!!わたし郁人とちゃんと向き合いたいの。


私の部屋に着て欲しい!!」



郁人の肩をぐっと押して、強い口調で言った。


私たちは、ちゃんと前に進めるはず。





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