つないだ小指
「じゃあ、もう待たなくていいんだね、婚約正式に成立だ。

それとも籍入れちゃう父さんに報告するべきか?。」


「待って郁人、正式に婚約はいいの。でも、


 お願い会社では公にしないでほしいの。


 それから籍に入るのはもう少し待って。」


「ふ-ん、まあいいけどなんで。」


郁人は、ちょっと不機嫌になったけど、これだけは言わなくちゃと思った。


「だって、郁人は社長になるんでしょ、


 わたしまだ、入社もしてないし、


 はじめから郁人の婚約者って扱いで入社するのはイヤなの。


 自分の力を試したいのよ。


 頼ってばかりの自分はもう卒業したいの。」


「うん、まあ分かるけどね、俺だって今の立場は居心地悪いしね。

 でも、さっき言っただろみんな菜々美がほっとけないって。

 大丈夫だよね菜々美、俺のものになったんだから、揺れないでよ。」


「もちろん。郁人が言ったんでしょ、

 結局私は郁人しか好きじゃなかったって。

 わたしは、郁人を愛してるのよ多分生まれた時から。」


「菜々美が愛してるっていった。うれしいよずっと待ってたんだ。」


ぎゅっと抱きしめてきた郁人の目に光るものが見えた気がした。

 

「ごめん郁人おまたせ。」


「愛してる?。」


「愛してるよ郁人。」



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