つないだ小指
「荒川君、佐伯さんお昼行かない?社食案内するわ。」

「あ、設楽、昼飯食ったらパンでも買ってきてよ。」

「了解。」

わたしたちは設楽さんに付いて社員食堂に向かう。

「あ、あの設楽さんいつもこんな感じなんですか?」

「まさか。」

「そうですよね、あんまり突然だったんでびっくりして。」

「きょうは、お昼に出られるから楽な方よ。二人のおかげよ。」

「!!!!」

わたしは逆な意味で言ったんだけど。

あっけにとられるわたしを横目に、荒川君がくすくす笑う。

:::::::::::::::::


「お昼いただきました。室長コロッケパンと、クロワッサンサンドです。」

「ああ、サンキュ-いくらだった?」

「420円ですレシ-ト入ってますから。後でください。」

「1時半まで休憩だから楽にして下さい。あっ菜々美休憩つきあってよ。」

えっ?とみんなわたしを振り返ってみる。

あほ春日どういうつもりなの。

「室長!佐伯です。それと休憩はお一人でお願いします。」

「堅いこと言うな、ホレ行くぞ。」

「きゃっ離してください室長~!あっすぐ戻ります~。」

手首をつかまれて引っ張られ休憩室に連れていかれる。

春日のばかっ




< 58 / 153 >

この作品をシェア

pagetop