つないだ小指
清里  郁人****


「専務、本社から社内メ-ル来てますので閲覧ください。」

「お、了解。」

高山は新人だがよく気がつくので、秘書的な仕事をしてもらっている。

デザイナ-希望らしい。ラインが動き出したら、そちらの話もかんがえないと、

とは思っているが、やることが多すぎて色々が手がついていないことの方が多

い。

「それでは、今日はこれであがらせていただきます。」

「ご苦労様。」

「あ、専務、本社に行かれましたら佐伯さんによろしく伝えてください。」

!驚いたように顔をあげると、

知ってますよ。とでもいいたそうに、口角を上げてニッと笑った。

菜々美、お前こいつとどんな話したんだ、聞いてないぞ~



工場の立ち上げで走り回っているうちに一か月がたった。

気がつけばもうゴ-ルデンウィ-ク直前だ。

定例会議の連絡か。

前回は都合がつかず欠席したが、新着情報を作成し必ず作成して参加するように

促すメ-ルだった。

まだ、ラインも動いていないので、ゴ-ルデンウィ-クは社員は全員休みにな

る。

会議に合わせて東京で過せるように休みも入れた。

菜々美にもうすぐ会える。

お互い忙しくメ-ルも、電話も滞っている。

『毎日メ-ルもするし電話もする。』といった俺の約束は果たせていない。

菜々美からは愛菜のシャメつきのメールが毎日届くというのに。

そういえば、怒ってたな、

『なんで春日と同じ部署だって教えてくれなかったの!』って

言えるかよ、うれしそうな顔されたら俺絶対凹む。

帰れると決まれば、菜々美のことばかり考える



菜々美お前は今ごろ何をしてる?。






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