つないだ小指
結城パパは、

私と郁人を見据えて提案をしてきた。


「菜々ちゃん。今まで言えなかったのだが、


 籍を入れようとしていた日に香菜子をなくしてしまった。


だから、私たちはまだ家族ではないんだ。


でも、君は愛菜の姉なんだ。


遠慮なく家に居てくれたらいいんだよ。でも、


君さえよければ正式な家族として迎えたいと思っているんだよ。


どうだろう?正式に私の娘になってくれないか。


『君に家族を作りたい』というのは香菜子の願いでもあるんだ。」




「それって養女になるってことですか。」


「そういうことになるな。」



母の思い、そう言われたら断ることなどできない。

それに、ボロボロな私を、結城パパも郁人も1年も見守ってくれていた。

家族として迎えてくれる申し出を断る理由なんてない。



でも、引っかかっていた。


ママの結婚話のでた時も。


わたしは、、、、、


「駄目だよ。それは、駄目だ!!」

ずっと沈黙していた郁人が強い口調で言った。



「菜々美の家族は俺が作る。父さんじゃない。」


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