つないだ小指
「おっきーね。」

「しゅご--い。」

「たか--い。」


感嘆の言葉をありったけ使って愛菜がはしゃいでた。


「いっくん、のろ-ね。」


愛菜が郁人の手を引っ張って観覧車を指さす。


「そうだなぁ。愛菜はパパと乗りなさい。いっくんは菜々と乗りたいな。」


「うん、パパ乗る。」


「郁人はケチだな。一緒に乗ってやればいいのに。」


「うるさなあ、なんで父さんまで付いてくるんだよ。

折角の休みなんだからのんびり家に居ろよ。」


「いっくん。けちっ、けちっね~。」

最近悪い言葉大好きな愛菜。


「愛菜やめなさい。結城パパへんな言葉教えないで。」

郁人ショックな顔してる。

久しぶりに会って洗礼をうけてしまった。

かわいそうに。


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