つないだ小指
郁人は、生まれた時から隣にいた。



私の方が2週間だけ早く生まれたが、予定日も一緒だった。


父同士が親友で、比較的近所に住んでいたので、


大抵どちらかの家で遊んでいた。


顔もどことなく似ていて、『双子?』なんてよく言われた。


ママ達は『二人は運命の糸で結ばれているのよ』なんて言って。


私たちもお互いが特別な存在と感じていた。




運命なんて言葉を理解していたわけではなかったけれど。





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