チョコと、君と。

「落合ぃー」
愛染は、俺を落合とは呼ばない。
って事は、チョコ効いてきたんじゃない?
普段とは、明らかに違う言動。
いつも見せてくれない、表情。
白い肌が、赤く染まって。
目はトロンとして、涙目。
やばい、可愛いな。
俺の理性が、心配だな(笑)
ってか、上目遣いやめろよ・・・。
まじでやばいんだけど。
さっきかずっと俺の事見てんだよね。
「愛染さん、どうしたの?顔赤いよ?」
平然をよそおって話しかける。
まぁ・・・顔が赤いのは、俺のせいだけど。
すると愛染は、いつもは見せない笑顔で言葉を返す。
「えー、瑠那顔赤い?」
ほら、いつもと違う。
自分を瑠那なんて言わないだろう?
初めてみた笑顔は、とても無邪気で。
普段大人びて見える愛染とは、別人。
どうして自分を隠す?
なんで・・・笑わない?
「どうして・・・?」
無意識だった。
俺から出た声は何故か悲しみを帯びていた。
そんな俺の言葉に愛染は悲しい笑顔を浮かべる。
そして、俺の隣へと歩み寄る。
ーギュッ
「え?」
驚きを隠せなかった。
だって愛染は、俺に抱きついたのだから。
愛染は、抱きついたまま話しはじめた。
「そんな悲しい声出さないで?瑠那も悲しくなるから・・・」
それ、どういう意味?
なんで、なんで愛染が悲しくなるんだよ。
しかも、俺を抱きしめたままじゃん。
男がどんな生き物か分かってないでしょ?







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