記憶混濁*甘い痛み*
それにもし、やり直せたとして
狩谷の言うように、オレの知る友梨とは別人のようになった彼女を、オレは前のように愛せるのだろうか?
「……そんな心配はないか」
自分の思考のくだらなさに苦笑い。
「友梨は……友梨だな」
そもそも条野友梨ではなく、深山咲友梨に惚れたんだ。
だからこそ今
オレを気にする友梨に、オレもまた惹かれている……
はぁ…と、小さく溜息をつくと、和音は立ち上がって帰る準備。
資料の下に見える本は、友梨の探していた
------"祈り"