ロード☆ランナー
「はい、遅れては申し訳ないと思いまして。
時間が許さないのであれば、再び出直してきます」

「問題は無い。
では、団長室へ来てもらおうか」

「はい」

アメリアは立ち上がった。

「待ちなさい。
その、後ろの彼は?」

「彼は私の従騎士時代の友、ブラッド・ロウです。
先ほどこの場所で偶然再会を果たすことが出来ました」

ロウも立ち上がり、深々と頭を下げた。

「なるほど。
では、彼にも来てもらおうか」

「よろしいのですか?」

「構わない。
ブラッド君も良いな?」

「はい、団長!」

ロウは明るく返事をした。

手足がピンと伸び、
体全体の緊張が見て取れる。

返事を聞いた団長は満足そうに頷き、
二階にある団長室へ歩を進めた。

残されたアメリアとロウも階段を上り、
団長の後ろについて歩く。

団長について行くとすれ違う騎士全員が深く頭を下げてくるので、
新米騎士のアメリアには居心地が悪い。

アメリアの後ろをついて来るロウも同じ気持ちのようで、
堂々たる体格を縮こませて歩いていた。
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