困った彼氏様


沈黙が続く。


突然彼の形の整った赤い唇が動く。


『ねぇ・・・聞いてるの?』

黒くて透き通った瞳を私に向けて聞いてくる。


 

『はいぃぃ!聞かせていただいてますぅぅ!!』

チキンな私は全力で答えさせて頂く。



『ホントに聞いてる?また、どっかの変な国に行ってたんじゃないの?』

変な国って、妄想のことですかね・・・



『いえ!!まっさかぁ。あははははっ・・・』

妄想は変じゃないっ!
乙女の必須条件だ!!

とは、思ってみても自分の口から出るワケもない。


出てくるのは、大量の冷や汗のみ・・・



『そーだよねー。この僕の告白をスルーなんてまさかだよねぇー』





・・・・・・・。



・・・・・・・はぁっ?!





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