祐雫の初恋
その夜の晩餐会に、祐雫は、初恋ドレスで臨んでいた。
経済界の重鎮が勢揃いする今宵の晩餐会では、慶志朗と話ができなくとも、
せめて祐雫の姿を一目でも見てほしい気持ちが籠められていた。
光祐は、仕事色の強い晩餐会に祐雫を伴うことに難色を示したが、
優祐が助け船を出した。
優祐は、光祐に連れられて挨拶に回っていた。
光祐が、難色を示したように、
祐雫にとっては、退屈な晩餐会に他ならなかった。