祐雫の初恋
「優祐、
里桜ちゃん、
私もお仲間にいれてくださいね」
「祐姉ちゃま」
里桜が満面の笑顔で、祐雫の側に走ってきた。
祐雫は、腰を屈めて里桜を抱きしめる。
「里桜ちゃんが優しいお言葉をかけてくださったので、
元気になりましたのよ。
ありがとう、里桜ちゃん」
「祐雫、加減はいいの」
優祐は、三日ぶりに祐雫の笑顔を見た。
何時(いつ)にない祐雫の沈んだ表情に
優祐は、声をかけるのを躊躇していた。
「夏バテでございます。
でも、もう、大丈夫でございます」
優祐の優しい言葉に
祐雫は、こころの中で感謝していた。
「祐姉ちゃまは、母上さまに抱っこしていただいたのでしょう。
里桜がお熱の時に母上さまが抱っこしてくださると
すぐに元気になりますもの」
里桜は、祐雫の首に腕を回して、耳元で囁いた。
祐雫は、里桜のふかふかした肌に包まれて
尚更気分がよくなっていた。
「さようでございます。
それに里桜ちゃんを抱っこすると
とても元気になりますわ」
優祐は、抱き合っている二人の妹を見つめながら、
祐雫が元気になってよかったと安堵していた。