祐雫の初恋

初恋ドレス


「祐雫。

 おじいさまへの贈り物は買ったよ。

 次は、祐雫のドレスを受け取りに行くのでしょう」


 遠い彼方から、優祐の声が聞えてきて、祐雫は、我に返る。



 祐雫の初恋を祐里から聞いた祖母・薫子は、喜ぶと

 祖父・啓祐には内緒で、アトリエにドレスを注文していた。


「祐雫さん、

 おじいさまにお好きな方が出来ました

 なんて知れますと

 気絶されるやも知れません。

 おじいさまは、祐雫さんをいつまでも

 お手元にお置きになられるつもりでございますのよ。

 女性は恋をする毎に

 綺麗になるものでございますのに」


 祐雫をドレスの採寸に連れ立った薫子は、

採寸の様子を目を細めて、

見つめながら囁いたのだった。


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